角野さんのまいにちまいにち

2006年 08月 02日 |
鎌倉文学館の「魔女からの手紙 魔女への手紙 ―角野栄子の世界」がはじまりました。今年の2月頃このお話があって、私は、こんな短い期間ではとても出来ないと瞬間おもいました。でも出来ちゃいました。それもなかなか面白いものになったと、自分でいうのもなんですが、思っています。それは文学館の方たちが、始めての子ども対象の展示会をとても楽しんで取りかかってくださったからだと思います。
あれもしたい、これも楽しそう、出てくるのは前向きな意見ばかりでした。そしてそれにむかって、最大の努力をしてくださいました。ある学芸員のお母様は魔女の帽子とマントを15着もつくってくださいましたし、家のまわりの自然の中から材料を集め、ほうきも出来上がりました。そして開館すると、キップ売り場担当のおじさんたちまで三角帽子に、マントを着て魔女に変身、もうそこから魔女の世界は始まっていきます。
20代の若いスタッフは、魔女の姿になって、観光でにぎわう鎌倉の小町通りや、お成り通り、長谷観音あたりを、ビラをくばって走り回りました。「魔女さん、魔女さん」と呼び止められて、もうびっくりしたわ。でもその顔はとっても嬉しそうなのです。こんなみなさんのご協力で展覧会は今、人でにぎわっています。
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展覧会をみたら、帰りに「魔女への手紙」を書いてくださいと、入り口でハガキをおわたししています。それがもうたくさん、たくさん集まりました。魔女の絵があり、魔女とは関係ない絵もあり、たどたどしい字の手紙から、すごい達筆まで。なかにはかわいい文章があって、思わずわらってしまいます。
「ジジ、家にきてね。家には犬がいないから大丈夫だよ」
「どうやったらとべるの?」
「魔女の修行をはじめようか・・・」
もう何百枚になるでしょうか。
9月24日まで続きます。鎌倉文学館は加賀百万石の元前田侯爵邸です。ロマンティックな建物と、それは美しい前庭があります。おおきな木のしたには、魔女がそっと隠れていたりします。星や月が木の枝の間からきらきらとひかっています。魔女が忘れたのでしょうか、銀色のほうきも枝に引っかかっています。そこで魔女のマントを着て、遊んでください。お待ちしております。
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# by Eiko_Kadono | 2006-08-02 20:57 | ニュース |
2006年 03月 14日 |
c0045041_22114138.jpg「魔女の宅急便」の5巻の原稿が出来ました。書いている時は、書く以外のことは、なんでもするのがいやで、好きな散歩もカット、食料の買い出しも、なるべくカット。人に会うのもぎりぎりカット。冷蔵庫にはなにもなし。食事の支度の時間は20分。そんなわけで美味しいものがとても食べたくなります。でも一人で外食が出来ない人なので、ある物だけでなんとか食べつなぐということになりました。そんなふうにして1年以上もかかりました。今回は手書きに戻ることにしましたので、パソコン文章の違和感からくるストレスはありませんでした。担当の青年編集者はなんというか・・・心配ですが、私は気分良く書けました。
c0045041_2282511.jpg5巻のタイトルは「魔女の宅急便  魔法の止まり木」というのです。このタイトルはちょっと気に入っています。キキの10代最後の春からお話ははじまります。そして20才の春までの1年間のいろいろです。ジジにもいろいろあって、相変わらずトンボさんにはいろいろなくって、でも、でも、みんなそれぞれの有意義な一年を過ごします。読んでくださる方たちにも、おなじ気持ち、同じ時間を感じて頂けたら、とても嬉しいです。ところで「魔法の止まり木」って、なんでしょう。魔法にもいろいろ性格があるらしく、自己主張もあるらしいのです。どうぞ楽しみにしてくださいね。本になって、本屋さんに並ぶのはまだまだ時間がかかるとおもいますが、またここでお知らせ致します。私はほっとするまもなく6巻に取りかかるつもりです。また、部屋にこもる日がつづきそうです。
# by Eiko_Kadono | 2006-03-14 20:39 | 日記 |
2005年 11月 10日 |
晴れて風のない夕方は、海に出かけていきます。11月の海は最高です。今日も行ってきました。夕日は稲村ヶ崎のむこうに姿をかくそうとしていました。その遙か上に小さな飛行機雲、反対側の東のそらには四つ切りのレモンのような月がもうすがたをくっきりと現していました。海にむかって立つと、果てしないような気持ちになります。そしてどうしても考えてしまうのは、生まれきたことと、死んでいくということです。その間の時間を今与えられているのだなと思うのです。私は寄せてくる波のきわをぬれないように用心して歩き出します。足下がざくざくとなります。その音をきくと、私の目はしたを向いてうろうろと探し始めます。お目あては昔々の瀬戸物のかけらと、シーグラスという海にもまれて角がまるくなったガラスのかけらです。瀬戸物は好みの絵柄で選びます。ガラスは海の中にながくいてまあるくなったのを拾います。ときどきまだとんがっているものにであうと、もう少し海で修行をするようにと言い聞かせて、そこにおいていきます。今とっても欲しいのは赤い色のシーグラスです。まだ一度も出会っていないのです。おおくはくもったような白か、薄い空色のかけらなのです。ときどき緑にも出会います。その時はちょっとラッキーです。本当に小さなかけらたちなのに、握りしめて家にむかうとき、私はとっても満足なのです。
# by Eiko_Kadono | 2005-11-10 17:26 |
2005年 10月 24日 |
c0045041_17114052.jpg「ラブちゃんとボタンタン」 新しい本の題名です。こんな言葉で始まります。
「ラブちゃんです。はじめまして。ボタンタンという、ちょっと変わった犬と暮らしています。わけがあって、ふたりは、ふたりぼっちです」
このボタンだらけのつなぎを着た犬は、今から35年前に考えたキャラクターでした。ボタンをはめたり、はずしたりするのって、なんだかおもしろそう!失敗もあるし・・・アチコチになっちゃうしね。それととびきりキュートな女の子もかきたいとずっと思っていたのです。おしゃれな女の子です。いろいろ考え出すのがすきな女の子です。でもナゾもいっぱい。なんだか世界はまいごだらけのようなのです。ラブちゃんの運命は・・・ボタンタンのナゾは・・・これからどうなるのでしょう。とびきりおもしろい物語にしたい、私が今一番大切にしていることです。
明日25日に発売になります。読んでくださいね。
# by Eiko_Kadono | 2005-10-24 15:40 | ニュース |
2005年 09月 11日 |
子供の時、疎開をしていた山形県の長井市に行ってきました。山形新幹線に乗って、赤湯というところで、長井線というちいさな鉄道に乗り換えます。この鉄道がなんとも可愛いのです。とことこはしって、次々小さな駅に止まります。スイングガールズという映画にもつかわれたそうです。沿線は私が9才のときと、あまり変わらない風景でした。この長井という町の駅の前の泉屋(今はビジネスホテル)という旅館に集団疎開をしていたのですが、みんな家に帰りたくって、この鉄道の線路の所に行っては、めそめそ泣いたものでした。その時のことがあれこれ思い出されて、私の胸は湿っぽくなってしまいました。こういう小さな鉄道は外国をふくめていろいろなところにありますが、私は乗るたびに夢をみるのです。一日でもいいから子供たちが駅長さんや、車掌さんになれるといいのに。キップを売ったり、ぱちんと昔風にハサミを入れたり、ホームにでて安全を確かめたり、また一方では、子供たち手作りのお弁当をうったり。そんなキッズデイがあってもいいのにな・・・と。ドイツのミュンヘンには2年に一度、子供たちがすべてを運営するイベントがあるそうです。子供たちがお金を発行して、大人も働いて、そのお金を稼いで使うとか・・・
本当にそんなことが出来るのかと、信じられなかったのですが、知り合いに参加してきた人がいて、話していただきました。ぜひ一度行ってみたいと思っています。長井線のように小さい鉄道だから出来る楽しいことっていっぱいあるような気がします。私の口癖なのですが、「もしかしたら・・・」ってつぶやいたら、きっと面白いことが現れるような気がするのです。
この町には冬灯籠祭りというお祭りもあります。それが幻想的で、とっても美しいのです。しかも作るのがとっても簡単なんです。バケツに雪をつめて、逆さまにして抜いて雪をかきだして、ちいさな洞をつくって、ろうそくを灯すのです。私はまだ見ていないのですが、それは美しいお祭りです。だれでも出来るし、雪さえあればいくつも出来ます。それを川沿いの小道や、町の通りに並べるのです。写真を送って頂いたので、乗せましょう。でも映像を乗せるのにいつでも失敗する私なので果たしてうまくいくか・・・心配です。
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(雪のないほうは夏のお祭りの写真のようです)
# by Eiko_Kadono | 2005-09-11 17:34 | 日記 |
2005年 08月 27日 |
暑いひがつづいていますがお元気ですか?季節の変わり目が近づく気配がする、そんなときが好きです。わたしもなにか新しいことがはじめたくなるのです。「魔女の宅急便」の5巻目を書き始めました。書くのが楽しくってたまりません。4巻の「キキの恋」ではキキが大人になってしまって、寂しく、書くのがつらいときもありました。でも今度はそんな気持ちからとっても自由になれて、キキといっしょに物語りのなかを毎日飛んでいます。今回のお話ではキキとトンボさんはどんなことになるのでしょうね。作者の私も楽しみです。ジジはとっても立派な雄ネコになりました。ヌヌちゃんというかわいい雌ネコと目下とってもいい感じです。これからどんどん書きます。たのしみにまっていてください。原稿ができたらこの欄で、おしらせしますね。
# by Eiko_Kadono | 2005-08-27 16:25 | 日記 |
2005年 08月 12日 |
リンゴちゃんのふるさと、弘前のねぷたと、青森のねぶたを見てきました。和紙をはったおおきな提灯の山車といったらいいか・・・そこに明かりがともり、たくさんの人に引かれて大通りをパレードします。タイコ、笛のおと、それから参加した人たちのかけ声。とってもすばらしいお祭りでした。スイスにも不思議な形の提灯を人が頭にのせ、ピッコロを吹きながら町を歩くお祭りがあります。その時は町の電気を最小限に落として、暗い中を練り歩くのです。明かりのお祭りは、町の灯りを少しでも暗くした方が幻想的です。青森も、弘前も、真っ暗は難しいでしょうが、せめてネオンは消して欲しかったなと思いました。日本のお祭りの中でも、一番といいたいほどすばらしいお祭りなので、あの二時間の間、まちの電気を半分でも暗くできたら、世界に誇れるものになるように思いました。また弘前では、ひろいひろいリンゴ畑を見てきました。ここにリンゴちゃんみたいな、元気なリンゴがなる様子を想像しただけで、わくわくしてきました。私の「リンゴちゃんとのろいさん」もよろしくね。どうぞよんでください。
# by Eiko_Kadono | 2005-08-12 15:03 |
2005年 08月 02日 |
リンゴちゃんのおはなしシリーズの最新刊
「リンゴちゃんとのろいさん」が発売になりました。
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くわしくは「魔女とおばけの本棚」を見てね。
# by Eiko_Kadono | 2005-08-02 22:37 | ニュース |
2005年 05月 26日 |
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魔女だって風邪を引きます。いつか(第四巻 キキの恋)コキリさんもすごい風邪を引いて、油断してたら、大変なことになったでしょ。魔女はね、とっても丈夫なんだけど、だってそばにくしゃみの薬があるし、自然のなかにある力を信じているしね。でもときどき自分を忘れそうになると、体をこわしてしまうのね。あのときコキリさんもなやみがあったらしいの。きいても教えてくれないんだけどね。ところでわたし、キキの風邪退治法は、靴下を脱いでね。足をお日様に当てるの。それから」両足の指を十本ともおもいっきり開くの。そのときつぶやく言葉はね。「みんな いいこね。いつもごくろうさん」っていうの。いつもうごいてくれて、ほんとうによく働いてくれるものね。
ところで、ジジ、わたし、角野さんからとってもいいおまじないをおしえてもらったの。それはね、本から抜け出すおまじない。いままでは本のなかだけで、なかなか一人あるきが出来なかったでしょ。でも今からはできるわ。角野さんの知らないとこだってひとりでいちゃうつもり。いいでしょ。そのおまじないは・・・・ジジ、知りたいでしょ。
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でもジジにはおしえられないわ。もう少し私、一人でつかってから・・・つまりわたしひとりであそんでから。ワルイワネ!
2005年 05月 06日 |
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キキ、ごぶさたしました。作者の角野さんがこのところさぼっているから、ぼく、キキにも連絡できなかったの。これって、微妙な関係だね。
ところで、今日は雨です。こんなとき、ぼくはおおきな声で、うたでも歌いたくなります。でもちょっと風邪をひいてね、それでネコセキになっちゃった。。ネコセキって、こんな風なのさ。「ニャコココホ ニャコココホ」 こんなせきが続けざまに出てくると、なぜか僕のセキはネコウタにかわっていくのです。
「ニャココロ ホホ ニャココロ ホホ ホホホ 
 ニャココロ ホホホ ニャニャ ニャーニャ ニャーニャ 
 ぼくの ニャーニャ ニャココロ 」
 変だけど、これってね、へたな風邪薬より、よっぽどきくよ。気分が変わる。
 キキ、魔女は風邪ひくの?マジョのセキってどんなセキ?気分を変える魔女のセキ歌って、やっぱりあるんでしょ。
 一度きかせてね 
こんなわけで久しぶりの交換日記だけど、あまりさえないの。ゴメン。